照明の重要性は写真を撮る人なら誰でも知っていることですが、特にアスリートの写真を撮るとき、筋肉のムキムキに割れている感じをとらえたい時に照明は欠かせないものとなります。
ここでは、アスリートの広告写真を専門とする写真家、モンテ・イソム(Monte Isom)氏の照明法を紹介します。
例えば、ボクシングのタイトルマッチのポスターに使う宣材写真。当然、強そうなシャープな体つきのボクサーを撮影することが求められますが、撮影日に身体が完全に仕上がっているボクサーばかりではありません。
そこで使われるのが、照明です。もちろん照明はビールでたるんだ腹をシックスパックに見せることはできませんが、照明によって筋肉のラインを浮き出させ、たくましく見せることができるのです。
コツは、被写体の身体をいくつかの部分に分けて考えることです。まず上からのライトで上半身と腹筋のトーンを照らします。このとき重要なのはライトから被写体までの距離で、これによって影のコントラストが決まるので、いい感じの陰影がでるように距離を調節します。このとき、光源にシネホイルをつけて、顔や目などに影ができないよう注意する必要があります。
後はストロボをフィルライトとして、また顔と目の影を取るライトとしても使います。脚に関しては、10-20度くらいの角度で横から照らし、上からの照明による影を消しながらも腹筋の陰影を消さないような場所を探します。
あとは後ろからのライトをもうひとつ使って完成です。
後ろからの照明のみの時と、他のすべてをつけたときの比較↓
実際の照明位置の例↓
ここから学べることをまとめると:
- 部位ごとに照明をあてる(腹筋・上半身 / 脚・下半身)
- 上と横から角度をつけて照らす
- コントラストを強めるためには、照明を被写体に近づける。この距離でコントラストを調整。
その道の一流の人の技を覗くのは勉強になりますね…
Source:Fstoppers