毎年多くの人が自分には才能が無いと思い込んでカメラを止めてしまいますが、実際は上手な人物写真を撮るのに才能は全くいらず、コツとテクニックさえあれば撮る事ができるものです。今回は、そんな人物写真の撮り方のコツをご紹介します。
自然な表情が一番大事
嘘くさい笑顔の写真を見たい人など誰もいないはずです。自然な表情がないポートレイト写真は見る人に訴えかけて来ません。「自然な」というところがポイントです。喜び、悲しみ、驚き、表情自体はどんな感情の表情でも構わないのですが、本当にその人の心からの表情であることが重要です。
人物写真においては、この表情の部分が高価な装備品やライティングなどよりもずっと大切である事は覚えておいて損はないでしょう。
どのようにしてこの自然な表情を引き出すかというと、被写体である人物にリラックスしてもらうことが大事です。撮影前から色々話しかけたりして、なるべくリラックス出来る環境をつくってあげるのもフォトグラファーの仕事です。
人物写真の構図について
構図を作るそもそもの目的は、見る人の視線を最も見て欲しい、画面上の大事な所に誘導する為です。ポートレイト写真ではそれは人物の眼にあたります。
この眼の重要性を念頭に入れた上で、三分割構図や背景のボケを使って眼や表情を活かす写真を作ってみましょう。
人物写真の構図について詳しくはこの記事も参考にしてみてください。
ライティングについて
ライティングについて重要なのは方向を持った光を使うという事です。屋内のポートレイトで窓の光をよく使うのはこの理由からです。
屋外撮影をする時も、このルールが当てはまります。ビルの隙間からの光や店のガラス越しの日光など、向きのある光を探しましょう。光が見つかったら基本的には順光で撮る事が多いです。
詳しくはポートレートのライティングについても参考にしてみてください。
カメラのセッティング
カメラのセッティングについては多くを考えないで構いません。写真を見る人が見たいのは、技術的にパーフェクトな写真でなく、写真家のビジョンや、被写体の魅力が伝わっているかどうかです。
したがって、通常はガチャガチャと色々とマニュアルでいじるよりも、絞り優先オートでシャッタースピードはカメラ任せでとっていけばいいでしょう。カメラがシャッタースピードを間違えたら、露出補正などで簡単に素早く修正すればいいです。それよりも、いい光のロケーションを探したり、被写体のいい表情を探したりと、もっと重要な細部に時間をかけるべきです。
人物写真撮影のレンズについて
レンズの焦点距離の選択は重要です。これによって被写体のゆがみが決まるからです。基本的には、焦点距離が長いレンズの方がきれいに見えます。個人的には、フルフレーム(FX)のカメラで85mm,クロップ(DX)で50mmくらいのレンズがポートレイトに向いていると思います。背景をちゃんと入れる事もできるし、数歩近づけばタイトな構図にもでき、背景をぼかす事も可能だからです。
ポーズについて
正直に言って、ポーズを決めるのは本当に難しいです。眼の位置を頑張って決めたとしても、手をどうするかというのは本当に毎回苦労するところです。
これに関しては、たくさんの優れたポートレイト写真を「見て盗む」しかない気がします。色々な人の作品を漁るように見て、インスピレーションを得るしかありません。「お、これいいな」と思う物があれば、特に手の位置と眼の位置を勉強させてもらうといいでしょう。
また、基本的な人物写真のポーズも参考にしてください。
美しいポートレートが撮れたら、Lightroomポートレートブラシセットでの編集も忘れずに!