一脚の使い方ガイド

一脚の使い方ガイド

ikkyaku

一脚は三脚の劣化版というようなイメージを持っている方が多いですが、一脚にはそれなりの利点があります。

カメラを安定させる事に関しては三脚にとても適わない一脚ですが、一脚の方が効率の良い場面もあるのです。

例えば人の多い場所での撮影では、三脚を広げるのは難しいです。また、何かの会場の中での撮影の場合、三脚を禁止している会場やイベントもあります。

スポーツフォトグラファーが好んで一脚を使う理由がこれです。多くの人がつめかけるスポーツ会場では三脚の使用は現実的ではないのです。

典型的なスポーツフォトグラファーの装備。
典型的なスポーツフォトグラファーの装備。

また、折りたたみの速さが三脚と比べて段違いに速いのも特徴です。ここから、素早く動き回って写真を撮らなければならない場合にも重宝されます。フリーランスのウエディングフォトグラファーが一脚をぶらさげてバタバタと結婚式会場を行き来しているのを見た事がある方もいると思います。

今回の記事では、そんな一脚の一般的によく使われる使い方を紹介します。

1.「人間三脚」スタイル

一脚の最もよく使われる置き方は、肩幅くらいに脚を広げて立ち、正面真ん中に一脚を置く方法です。自分の二本の脚と一脚で三脚の形をつくり、三脚のような安定感を目指す「人間三脚」スタイルです。

最もポピュラーな「人間三脚」スタイル
最もポピュラーな「人間三脚」スタイル

この場合ストラップもしくはグリップを持つ手は地面に向けて力を入れて安定感を確保するか、もしくは少し自分の体に寄りかからせるように引いて安定させます。

大きなテレフォトレンズなどを載せている場合は、このスタイルが最も適しています。

2.アーチャースタイル

次によく見るのが、その姿が弓を射る格好に似ていることから「アーチャースタイル」と呼ばれる使い方です。

アーチャースタイル
アーチャースタイル

片足を一歩出してボクサーのように立ち、後ろの脚に一脚の脚を当てて、角度をつけて立てるというものです。

この使い方は滑りやすいなど地面の状況が悪い時に使われます。一脚の重量を自分の後ろの脚に寄りかからせて安定させるので、地面が悪くても滑ったり動いたりしにくいのです。

また、同じ用途で石や木など安定しているものに一脚の脚をあてがって安定を図るという方法もあります。

3.リーチを使う

一脚は普通では得られない視点からの撮影をする時にも使われます。高く掲げる事で高い視点からの画が撮れるというのもありますが、報道写真家が人ごみやフェンス越しにクリアな被写体への視点を得るために使われたりします。

この場合はビューファインダーもシャッターボタンも使えないので、リモートシャッターかセルフタイマーでシャッターを切ります。構図をガッチリ決めて撮るのは無理なので、やはり被写体ありきの報道写真向けと言えるでしょう。

photo:gopropole.com
photo:gopropole.com

余談かも知れませんが、一脚はこの特質から「自撮り棒」なるものに進化(?)を遂げました。スマホを取り付けて自分を撮影する「自撮り棒」は、要は一脚の劣化版と言えるでしょう。カメラ用のちゃんとした一脚で自撮りをしている人はあまり見かけませんが…

 


Warning: A non-numeric value encountered in /home/rokkan1/www/japancamera/wp-content/themes/Newsmag/includes/wp_booster/td_block.php on line 352