ニコンが半導体事業の不振を理由に1000人規模の希望退職を実施することを発表しました。
主たる理由は半導体事業の不振ではありますが、ロイターの記事にもあるように、カメラ市場の縮小も一因と考えられているようです。
ニコンの主力デジタルカメラの販売台数は、レンズ交換式で前年比2割、コンパクトカメラで4割減ということで、「過去数年で市場の金額は半分になってしまった」(岡副社長)というほどのものすごい速さで市場が縮小しているようです。
スマートフォンがカメラ市場に大ダメージを与える事は前から予想されていたことではありますが、特にスマートフォンが直接代替品となり得るコンパクトカメラを中心としてカメラの販売台数は業界のプロ達の予想よりもよほど速い速度で進行しているようです。
⬆Statistaによる、カメラ販売台数統計
上のグラフはCIPAによるカメラ販売台数統計を表したグラフで、青がレンズ備え付け型、赤がレンズ交換式のカメラの販売台数をそれぞれ表しています。
2010あたりを境目に右肩下がりに下がっている事が一目瞭然で、これがスマートフォン普及に伴ったものであることが大方の見方となっています。
これだけ市場が縮小していたのでは、ニコンだけに限らず、他のカメラメーカーも構造改革を迫られているものと見られます。
「今回は黒字で実施する攻めの構造改革」と強調したニコンですが、これから同社のカメラ事業がどう変化していくのか気になる所です。