カメラのシャッター音に頭を悩ませたことのあるフォトグラファーは多いと思います。
音声ありの動画との同時撮影の仕事の時や、演奏会のステージ撮影など音を出すのがそもそも御法度の場合など、初めてのこういった現場の時にシャッター音を出して怒られるというのは、あまり一般的ではないにしても小さな「カメラマンあるある」と言ってもいいのではないでしょうか。
デジイチで「静音撮影モード」などというものがついているものがありますが、決して信じてはいけません。信じてシャッターを押したが最期、怖いディレクターや演奏会の最前列の高そうな眼鏡をかけている観客にギロリと睨まれます。冗談でしょ? っていうレベルの代物です。
この問題を抱えていたのがアメリカのフォトグラファー、ダン・タバール(Dan Tabár)さんです。タバールさんもクラシック系のコンサートのステージや静かなスタジオのワークショップなどでの撮影が多く、静かに撮影をしたいと思っていましたが、プロ使用の防音ケースでは高いものでは10万円ほどにもなり、とても手が出ないと二の足を踏んでいたのです。
悩んだ末にタバールさんは、防音ケースのDIYを決心します。色々とリサーチした結果、ペリカンのハードケースを使った防音ケースのDIYを発見。それを元に、色々なレンズが使えるように取り外し可能のエクステンション防音チューブがついているDIY防音ケースを制作しました。
必要な材料
タバールさんはまずハードケースとその他の材料を地元の店で揃えました。必要なのはレンズを入れるためのPVC製チューブ、シリコン接着剤、エポキシ樹脂です⬇
DIYデジタル一眼レフカメラ防音ケース制作手順
ペリカンケースはスポンジ内蔵で売られているので、まずそのスポンジをカメラと無線トランスミッターがフィットするように切り抜きます。この時にカメラの等身大のプリントを使うとやりやすいそうです。
次に、レンズチューブの真ん中がどこにくるかを決めて、ケースのそこの部分に穴をあけ、外にレンズチューブケースとなる部品(PVCチューブ)を付けます。エポキシで固定した後にシリコン接着剤で完全に接着します。
次に、ケースの反対側に、ビューファインダーとスクリーン用の穴を開けます。
開けた穴から音が漏れないように、透明シートを貼って穴を塞ぎます⬇
長いレンズを使っても対応できるよう、チューブのエクステンション部分を作ります。音が漏れないよう、接合面はシリコンで接着します。
完成です!⬇
さらに防音性能を高めるため、隙間部分にスポンジを入れればより強力に。⬇
1万円程度でできる節約DIY。気になるその効果のほどは、下の動画でご確認を…