アメリカの小売大手ターゲットといえば、数年前にphotoshopの失敗による異様に長い手の水着モデルの写真を出して大恥をかいたという苦い経験があります。
その経験をバネにしたのか、最近始まった今年の水着キャンペーンでは「本当の自分自身」を見せるということをキャンペーンの主題として、「伝統的なレタッチを一切使わない」「シワを消したりボディシェイプを変えたりしない」いわばPhotoshopフリーと言えるキャンペーンを展開していました。
これは最近の流れとしては確実に強くなりつつある潮流で、完璧なシェイプでなくてもその「本物らしさ」「誠実さ」がより消費者に支持されるということで、フォトショップなしの広告写真が(それ自体を売りとして)使われるという事をよく見かけるようになりました。
したがって、このキャンペーン自体は目新しいとは言えないまでも十分に有効なキャンペーンとしてフォトコミュニティでもちらほら話題に出ていました。
ところが…
なまじフォトコミュニティで話題になってしまったことから、このレタッチなしを売りにしていたキャンペーンの写真から、いくつかphotoshop跡が発見されてしまったのです。
これを見ると、特に2枚目の左肘のあたりの部分なんかは確かに100%レタッチなしとするのは難しい気がします。もちろん、これはインスタグラム上のキャンペーンで「アンバサダー」とされたモデル(アスリート)本人達の投稿となるので、ターゲット社のせいではないとも言えるのですが、そもそも「レタッチなしのありのままの姿」を出すということを前面にだしたキャンペーンであるはずなので、批判は免れなくなりそうです。
スマホ撮影とレタッチが普及したことでレタッチがプロだけのものでなくなった今、ネット上でシェアされるあらゆる写真にレタッチが加えられていますが、そのことの善悪とは別に、だからこそ「レタッチしない」というコンセプトが成立するという点があります。このコンセプトを掲げながらレタッチが行われてしまうという所に、レタッチのあまりにも広い浸透を見るべきか、ターゲットのずさんな管理を見るべきか、そもそもレタッチ無しというコンセプトがダメなのか、色々な意見が飛び交っているようですが、皆さんはどう思われますか?