きれいな天の川写真を撮る方...

きれいな天の川写真を撮る方法(天体写真家じゃなくても)

 

amanogawa

写真のジャンルとしてなかなか大きな勢力を誇る天体写真。その中でよく目にするテーマが「天の川」です。

美しい天の川の写真は天体写真家でなくとも、一度は撮ってみたいものです。今回は天の川の写真の撮影方法の基本的な部分を紹介します。

天の川撮影に必要な機材

1.カメラ:絞り、シャッタースピード、ISOなどがマニュアルで調整できるカメラが必要です。夜の撮影はオートフォーカスは得意でないので、フォーカスも手動でできることが必要です。理想的にはデジタル一眼レフの中上位機種、またはISOが高くてもノイズがあまり大きくでないミラーレスです。キャノン60Daのような天体写真専用のカメラは当然最高のチョイスではありますが、こういった機種は天体写真をシリアスに撮っている人用なので、一般的な写真愛好家はそこまでのものを使わなくて大丈夫です。

2.明るめのレンズ:レンズの交換出来るカメラをお使いの方には、画角広めで絞りの大きめのレンズ(最大絞りF1.4-F2.8くらいのレンジ)をおすすめします。特に天体写真ではISOをどれだけ上げないかの重要性が高いので、レンズは明るめが求められるのです。

このレンジだと、純正系だとニコンの24mm/F1.4G、キャノンのEF24mm F1.4がありますが、どちらも高価ですので、10万円を切るものでしたらSIGMAの35mm F1.4 がいいでしょう。天体写真をあまり撮る予定がない人は、安価なF1.8レンズを使うといいでしょう。例えばNikonの28mm f/1.8Gキャノンの28mm F1.8 などがあります。

3.しっかりした三脚:10秒以上級の長い露光時間で撮りますので、しっかりした三脚は必須アイテムとなります。屋外撮影なので風に煽られてぐらつくような三脚ではダメです。がっしりとしたものを使いましょう。三脚の選び方も参照してみてください。

4.スカイマップなどの天体地図アプリ:天の川を見つけるときに使い易い天体マップのアプリを持っていると便利です。Androidユーザーの方はgoogle sky mapの一択ですが、iOS版が出ていないのが玉に傷。iPhoneユーザーの方はご自分で使い易い物を見つけてみてください。

5.画像編集ソフト:天体写真はポスプロ(撮った後の画像の編集・加工)が必要です。この場合のおすすめはAdobe PhotoshopもしくはElementsです。LightroomでもOKですが、PhotoshopだとLightroomにない機能が使えます。

6.懐中電灯:天の川の撮影スポットは暗いです。一本あると色々と便利です。

ロケーション

天の川の撮影できるロケーションは日本国内でも各地にあります。ご自宅からなるべく近い、光害の少ないロケーションを選んで決めておきましょう。その際にはこの光害マップのサイトが役に立ちます。

フォーカスについて

カメラのセッティングの前に、フォーカスについても触れておく必要があります。夜間の撮影はフォーカスが難しく、写真家の頭を悩ませる問題です。コントラストが少ない夜間ではカメラがうまくオートフォーカスを合わせられないので、基本的にマニュアルになります。したがって、カメラの位置が変わるたびにフォーカスを考えなくてはいけません。

そこで、一番いいワークフローとしては、まず構図を決めて、もしズームレンズなら焦点距離を決めて、それからマニュアルで完璧にフォーカスを合わせて、その後撮影が終わるまで一切フォーカスリングやズームリングに触らないということだと思います。

無限遠(インフィニティーフォーカス)に合わせるのが目的ですが、少しのフォーカスのブレでも星は本当に見た目が悪くなります。天体写真ではシャープなフォーカスが生命線だということを肝に命じて、気合いを入れてフォーカスを合わせましょう。

前景を入れた写真を撮りたい場合はもう一つレベルが上がります。前景も、星もフォーカスを合わせる写真にしたい場合は焦点合成(フォーカス・スタッキング)というテクニックを使う必要があります。これは撮影後の画像加工で使うプロセスで、複数の違ったフォーカスの写真を合成するテクニックです。撮影時に必要なのは、同じ構図のまま前景にフォーカスが合った写真と星にフォーカスが合った写真を撮っておくことです。

カメラのセッティング

天体を撮るときは、ISOによって感度を上げて撮ることになります。ここで先ほどお話ししたレンズとカメラのチョイスがものを言います。もし絞り開放でも良いパフォーマンスの出せるレンズの場合、ISOをそこまで上げずに済むことになります。例えば、下の写真はニコンD3sに24mm F1.4GレンズをつけてF1.4、ISO1600、シャッタースピード20秒で撮影した物です。

ニコンD3sに24mm F1.4GレンズでF1.4、ISO1600、20秒 by NasimMansurov
ニコンD3sに24mm F1.4GレンズでF1.4、ISO1600、20秒
by NasimMansurov

もしシャッタースピードを同じで暗めのレンズを使った場合、F2.8としたらISOは1600から6400にしなければならないことになります。ISO6400でのノイズ感は、個人の好みにもよると思いますが、個人的には許容範囲外になってしまいます。

そこで設定はまずシャッタースピードを決めて、暗すぎず、かつ星が線にならず点で表現出来る速さを選び、それからレンズの明るさによってISOを調節していくという流れになるでしょう。

JPEGかRAWか?

天体写真はRAWです。JPEGで撮っている方は、RAWデビューの機会だと諦めてRAWに変えましょう。

撮影モード

ここまでお話してきたように、マニュアルモードでの撮影になります。まずオートISOをOFFにして、絞りを開放まで開けて、そこからシャッタースピードを割り出します(大体20〜30秒が多いはずです)。それからISOを決めますが、まずは1600あたりから初めて、様子を見て上げ下げすればいいと思います。

撮影後の加工・編集

天体写真において撮影後の編集作業は大きな位置を占めます。カメラが撮れるのはコントラストの乏しい星空であり、ここからの編集でさらなる美しさを作っていくのです。

左が編集前、右が編集後
左が編集前、右が編集後

上の例では、左がカメラが撮影した写真で、右がそれをphotoshopで加工したものです。撮影後の行程によって、ここまで細部や色を出す事ができるのです。撮影がしっかりしていれば、ホワイトバランスとレベルをいじっただけでもこれほどになります。色々といじってみましょう。