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風景写真に使うレンズはどれがいい? ランドスケープ用カメラレンズの比較と選び方

fuukeirenzu

どんなレンズでも風景写真を撮る事はできますが、実際のところ、ほとんどの風景写真家は広角レンズをメインに使用します。その理由は、パノラマ風景を雄大に写すことができるからです。

もちろん、レンズや焦点距離を選ぶのはどんな写真にしたいか、どんな風景を撮っているか、などの要素があるため一概には言えず、全てのシチュエーションに「正解」である一つのチョイスがあるわけではありません。例えば同じ風景を撮るにしても、ある風景写真家は広角レンズを使って近づいて撮るかもしれませんし、また別の方は普通のレンズで離れて撮るかもしれません。

今回の記事では、風景写真におけるレンズの選びかたを、シチュエーションやどんな写真にしたいのかを念頭におきながら選べるように、一般的な情報や比較を交えて紹介したいと思います。

ベストの焦点距離を選ぶ

もし、自分の目で見ている景色をそのまま写真にしたいというのであれば、35mmから50mmの間の焦点距離を選ぶ事になります。このあたりが肉眼に近い仕上がりになるからです。画角に関して言えば、広がれば広がる程当然広い範囲を写す事が出来ますが、それに伴って画面に微妙な遠近感のずれ(ゆがみ)が生じます。画角が狭まればこのゆがみがなくなりますが、その分写せる範囲が狭まるというわけです。

風景写真でポピュラーな焦点距離はDXのカメラで10mmから24mmくらい、FXで16mmから35mmくらいです。

広角レンズの特徴について

広角レンズは、画角を広くするほかにも色々なプラス要素があります。例えば、被写体までの距離を深く見せながらも被写界深度を広く保てるということが挙げられます。

だいたい20mmを越える広角レンズになると、ほぼ画面の全てが被写界に入りシャープになります。絞りが比較的開いていてもこの状態が保たれるのも特徴です。これが広角レンズや単焦点レンズにスタビライゼーションと呼ばれるブレ補正機能がついていない理由でもあります。

ズームレンズか、単焦点レンズか?

ズームレンズは最も安上がりに色々な焦点距離を手に入れる方法であり、その結果ほとんどのキットレンズはズームレンズになっています。

典型的なキットレンズはDXカメラで18-55mm,FXカメラで24-85mmあたりです。

ほとんどのメーカーはキットレンズ以外にもっと高級なレンズを発売していて、キットレンズよりも明るく、そして丈夫な作りになっています。

単焦点レンズは同じ焦点距離のズームレンズと比べF値にして大体3段階ぐらい広い絞りを持っており、ビューファインダーから見た景色が明るくなるという利点も持っています。これにより薄暗い場所での手持ちでの撮影が楽になったりします。

もし使っているカメラが液晶など、電動のビューファインダーを使っている場合はこの利点は関係ないですが、明るさや丈夫さ、画角などの利点はそのままです。

焦点距離について

ここでは風景写真でポピュラーな焦点距離とそれぞれの特徴を見ることによって、どのようなシチュエーションで使いやすいかを見ていきます。

もちろん、写真にただ一つの正解があるわけではありませんので、あくまでヒントとして見ていただければと思います。

FXカメラの焦点距離を基に、DXカメラのものをカッコ内で表しています。

50mm(33mm):この焦点距離は人間の肉眼の見え方に近い焦点距離です。この焦点距離のレンズは幅広い被写体に対応できる柔軟性があるので風景写真以外にもよく使います。単焦点の場合はものすごく広い絞りのものがあり、F1.4などというとても明るいものもあります。

35mm(24mm):このあたりが広角レンズと呼ばれるものの中で最も焦点距離が長いものになります。大体、63度くらいのアングルが得られ、50mmレンズよりも広く写せながらも、画面のゆがみもありません。単焦点もF1.4くらいまでの広い絞りを持ったものがあります。

28mm(18mm):75度程度のアングルが得られながらも、画面のゆがみもほぼないというところから、このあたりが風景写真で最もポピュラーなレンズとなります。35mmと同じくらい使い勝手もよく、建築写真や集合写真などでも多用される焦点距離です。単焦点だとF1.8くらいまでのものがあります。

24mm(16mm):84度ものアングルを得る事ができるので、かなり広がりのある感じの風景を撮る事ができます。ただしこのあたりからゆがみが出てきますので、それを気をつけながら撮影することになります。また、ティルトしての撮影はゆがみが目立つのでわざと歪みをだしたい場合を除き基本的にはタブーです。

24mmの使用例。地平線を見れば、歪みが出ているのがわかる
24mmの使用例。地平線を見れば、歪みが出ているのがわかる

20mm(13mm):超広角と言われる94度ものアングルがあるレンズです。遠近感は強調され、近くにあるものはとても大きく見え、離れているものは小さく見えやすくなります。この焦点距離だと、パンフォーカスと呼ばれる、絞りを広げてもすべてがシャープに写る状態が発生します。歪みを活かしたドキュメンタリー写真などでよく使われます。単焦点だとF2.8くらいまでのものがあります。

14mm(9mm):114度ものアングルがあるこのクラスになると、人間の目が通常見る景色を大幅に越えた広さを持つ写真が撮れます。距離感がとても強調されるので、寂しい感じの風景を強調して撮りたい時などに使われます。また、遠近感のゆがみは大きいので、カメラは真っすぐにしていないとすぐに歪みが画面を占領してしまいます。このクラスになるとF2.8ほどの絞りの広さを持つ物はまれです。

このクラスを越えると、「魚眼レンズ」と呼ばれる領域に入ります。歪みをわざと使う時にしか使用しないもので、特別なアイデアを具現化する時に使う物です。

風景写真におけるテレフォトレンズ

テレフォトレンズも風景写真で使われることがあります。テレフォトレンズは実際は距離が離れているものを近づけて見えるように写せるので、近い物と遠い物がまとまった一つの画像として見えやすいという利点があります。

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200mm級の長いレンズを使った例。遠近が収縮され、道が凄く短く見え、遠くの丘が近くに見える。

70mmくらいのレンズだと、遠近の収縮を出しながらも不自然な感じにならないちょうどいい感じが出せます。これ以上長くなると、遠近の収縮効果がより目立つので、それを活かした画面作りが必要です。