ポートレイト写真のライティングには基本となる4つのやり方があります。もちろん、写真というのはルールが全てではありませんが、まずは基本的なルールを覚えた上で、そこから自分なりに応用をするのが自分のスタイルに近づく一番の近道です。今回は、ポートレートライティングの基本の4つ、スプリットライティング、ループライティング、レンブラントライティング、バタフライライティングを紹介します。
スプリットライティング
スプリットライティングとはその名の通り、顔をスプリット(2分割)するような照明方法です。つまり顔の半分に光があたっていて、残りの半分が影になっているような状態になります。
スプリットライティングは少し影のあるアンニュイな雰囲気がつくりやすいからか、ミュージシャンやアーティストなどのポートレイトに使われる事が多いです。
スプリットライティングのやり方は簡単で、被写体の真横にメインライトの光源を持ってくるだけです。あとは影の部分の濃さをどうするかによって色々と調整していきます。
ループライティング
ループライティングは、目の位置より少し高めの光源から被写体から30~45度くらいの角度で当てるライティングで、鼻の影が斜め下に向かってループ状に出る事からこの名前がつきました。最もポピュラーなポートレイトライティングの種類の一つです。
とはいえ、鼻の影はなるべく小さく抑えるのが基本です。また、高さもあまり高くすると眼のキャッチライトが失われる可能性がありますので注意しましょう。
レンブラント・ライティング
レンブラント・ライティングとはオランダの画家レンブラントが肖像画を描く時に使ったライティング方法です。眼の下に三角形の光が出る事が特徴とされ、特に丸顔によく映える照明法として多用されます。
色々なバージョンがあるレンブラント・ライティングですが、最も基本的なものは照明一灯とレフ板一枚で作れるため、簡単で経済的な照明法でもあります。
バタフライ・ライティング
バタフライ・ライティングは被写体の真正面の少し高い位置から被写体を照らす照明法で、被写体の鼻の下に蝶のような形の影が出ることからこの名前がつきました。(パラマウント・ライティングとも呼ぶ)
目線より少し上の正面から照らすので、顎などに下向きの影が出やすいため、レフ板やフィルライトを下に置いてその影を消す役目をさせます。
バタフライライティングは、どんなタイプの顔にも映える照明としてよく使われます。
終わりに
これらの4つの基本ライティングはまずはマスターしておきたいライティングテクニックで、これらを練習することで照明について色々なことがわかってきます。また、他のフォトグラファーが撮ったポートレート写真を見た時にどんな照明で撮ったかもわかるようになってきます。練習を繰り返して、どんな顔の人にどんな照明が合うかなどがわかるようになってくると一人前だと言えるでしょう。
ちなみに、撮影が終わった後はポートレートブラシセットを使ってLightroom編集すると捗りますよ!