「デジタル一眼レフカメラで撮った写真」としてよくカメラの広告などで見かけるのがボケ味のある写真です。
デジタル一眼レフカメラを買う入門者にはまず、そういったボケ味がある写真を撮ってみることをおすすめしています。撮る事は難しくないですし、撮ると「おお、自分もデジイチデビューしたんだ」という満足感があるからです。
ただこのボケにも、うっすらとしたボケから強いボケまでいろいろと度合いがあります。今回はこのボケ味を強く出す方法を紹介する初心者ガイドです。
1.絞りを開こう
ボケはカメラが作る物ではなく、レンズが作る物です。レンズのフォーカスが合っていない部分がボケるのです。ですから、レンズの絞りを開いて、フォーカスの合う部分を狭めてやれば、ボケる範囲が広がります。
これをどうやってやるかというと、カメラのモードを「絞り優先モード」にして、F値というFで始まる数値を一番小さいものに設定します。
F値を小さくすると、フォーカスの合う範囲(=被写界深度といいます)が狭まると覚えておきましょう。
2.自分と被写体の距離を縮める
自分が被写体に近づくほど、背景のボケは強くなります。近くの物を撮る時に焦点距離が短くなるからです。
これは人間の眼でも同じです。自分の人差し指を目の前に出して見てみましょう。腕を伸ばした状態で眼のフォーカスを指に合わせてみてください。フォーカスが合うと背景がぼけるでしょう? そのまま指を自分の眼の方に近づけると、背景のボケが強くなるのがわかるはずです。
近い物にフォーカスを合わせると背景がよりボケるというのはこれと同じ原理です。自分の眼で体感すると覚えやすいです。
3.被写体とボカしたい背景の距離を広げる
写したい被写体と背景の距離が近いと、強いボケ味は出せません。フォーカスはクリアに合っている状態と完全にボケている状態の2通りしかないわけではなく、徐々に段階的にピントがずれていくのです。
つまりピントがあっている所から遠い所の方がよくボケやすいということです。
ですから、たとえば子供のポートレイト写真を木の前で撮っていて、木のボケをより出したければ子供を2、3歩前に歩かせて、木から離した上で撮るというような対応をすることでより木をボカすことができます。
4.焦点距離の長いレンズを使う
カメラと被写体との距離が同じであれば、カメラについているレンズの焦点距離が長いほうが被写界深度が狭くなります。
なので、もしズームレンズをお使いであれば、焦点距離を伸ばす事によって、背景をよりぼかすことができます。
逆に、風景写真など、ボケ味を出さずにシャープな写真にしたいのならば短い焦点距離で使えばいいわけです。
例えば70-300mmのレンズを使っているならば、300mmで撮った時に最もボケ味が出て、70mmの時に最もシャープ(=ボケがでない)な写真になるということです。
5.明るいレンズを使う
1番で見たように、絞りを開く程ボケ味が増します。そこで広い絞りを使うことのできるレンズ(=明るいレンズ)を使う事でよりボケ味のある写真を撮る事ができます。
ボケ味がよく使われるのはポートレート写真(=人物写真)であり、ポートレート用のレンズはF1.4〜F2.8くらいの広い絞りを初め、ポートレート撮影で使いやすいように最適化されています。
もしボケ味を活かしたポートレート撮影を考えているならば、これらを使うのも選択肢の一つです。