アメリカのフォトグラファー、エド・ヘザリントン(Ed Hetherington)さんは普段は結婚式の撮影を本業としていますが、休暇を使って自然写真の撮影旅行に行く事を決め、アフリカのジンバブエへ行きました。
ヘザリントンさんはこの冒険旅行で、普段の撮影では体験できない、「カメラをライオンに盗られる」という経験を味わう事になります。
ヘザリントンさんはCanon 7D、5D MarkII 、100-400mm F4.5-5.6L、16-35mm F2.8L Ⅱ という装備で野生動物の撮影に臨んでいました。地面スレスレの視点からの写真を撮りたかったヘザリントンさんは小さなカメラスタンドとワイヤレスのリモートレリーズも持っていっていました。
この装備でアフリカの象や野犬の撮影に成功したヘザリントンさんは、自身のキャンプの近くでライオンがバッファローを狩るところを目撃します。ライオンがバッファローを食べる前に水を飲みに川へ行ったのを見たヘザリントンさんは、ライオンの食事風景を近くで撮るチャンスだと考え、5DMarkⅡに16-35mmを付けてカメラスタンドに載せ、バッファローの近くに置いて安全な距離に逃げ、ワイアレスで狙う準備をしてライオンの帰りを待ちました。
しばらくして戻ってきたライオンは、食事を楽しむかと思いきや…
食べられないはずのカメラは無視して食事を楽しむだろうというヘザリントンさんの予想は外れ、ライオンはカメラの方に興味津々。ライオンはカメラの方をくわえて持っていってしまいます。以下は離れた場所にいるヘザリントンさんの目線で撮った写真です。
結果、カメラとリモートレリーズは殉職。レンズはかなり汚されたものの壊されることはなく、残りの旅行中も使うことができたそうです。
ジャパンカメラでは極寒地、激しい嵐雨、海の底に1年間、など様々な環境でのカメラのサバイバル状況を紹介してきましたが、今回、ライオンに襲われるとさすがに生き延びる事はできないという新たな見地が得られました(笑)。