1902年に書かれた本、「Why My Photographs Are Bad」は当時の写真の初心者に向けて書かれた入門書です。
読んでみると、現代の入門書と同じような初心者向けの内容を見ることができますが、同時に、当時の写真撮影ならではの内容があって興味深いです。
今回は、この本の中から100年前の「写真初心者がやりがちな間違い」を紹介したいと思います。
「カメラ位置」
「初心者はよく、カメラを置く時に被写体に近づけすぎて置くことがある。その結果、被写体が乾板よりも大きくなり、頭や身体の一部が切り取られるなどグロテスクな結果になる。そして10回のうち8回は、カメラ機の操縦者はカメラがダメだ、レンズが壊れている、などと自分のミスを機械のせいにする。」
(編集部コメント:最後の一行を読むと、人間が100年間変わっていないことがよくわかります…)
「頭を支える台の使用」
「5×7や8×10のサイズでポートレートを撮る時に人を悩ませ、また無駄なコストがかかってしまうのが、上図のようなミスだ。これは露光しているときに被写体が動くことから発生する。これを避けるためには、頭を支える台を入手し使用せよ」
(編集部コメント:頭を支える台って…速いシャッタースピードがあることへのありがたみを改めて感じました。)
「露光時のレンズキャップの位置」
「どんなに注意していても、熱心な勉強者でもこのミスをすることがある。レンズキャップを外した時にそれをレンズの視界内で持ってしまうのだ。結果、図のように一部が完全に影になる失敗作が出来上がる」
(編集部コメント:これは当時『あるある』だったことが想像出来ます。)
「一つの乾板に2つの写真」
「何時間もかけて撮影・現像をして出てきた2つの美しい写真が一つのネガに写っていたとき、あなたの時間、労力、乾板は全て無駄になってしまう。しかしこれはプロであってもよくあるミスである。」
(編集部コメント:当時のフォトグラファーが現像の時にこれを見つけて絶叫して暴れ回っている姿を想像してしまいました。)
…いかがでしたか? 写真の歴史をちょっとだけ感じられる、「Why My Photographs Are Bad」、洋書が得意な人は一度目を通してみては。