写真の全ての入門書やコースでは、構図についてのレッスンがあります。
目の前にある光景を、フレームで切り取る。何を入れて何を入れないか、どこに何を入れるかを考える。その重要性についてのレッスンです。
確かに構図の重要性については議論の余地はありませんが、実践では、急いで撮らなくてはいけなかったり、「どいてください」と言えないような人やもの(上司、義理の父親、怖そうな通行人、電柱、看板など)が背景に見切れていたり、色々な理由で完璧とは言えない写真が上がってくることが多くあります。
背景にいらない要素がちょっと入っているだけで、写真を見る人の視線をフォーカスさせることができなかったりするのが写真の怖さであり、構図の怖さです。
そこで使ってみたいのが、トリミング、つまり写真の切り抜きです。
今回は、写真のトリミングの入門編として、基本的なことを紹介したいと思います。
トリミングで縦構図と横構図を変換
トリミングの代表的なものの一つに、縦構図の写真を横構図に、横構図の写真を縦構図に変換するというものがあります。
例えば、縦構図で撮った写真を横構図にトリミングします。⬇
わかりやすく、使いどころも多い、簡単で手軽なトリミングの一つです。
遠近を変える
切り抜きによって遠近を変え、違うフレームのショットのようにすることもできます。
構図を構成し直す(三分割構図などにする)
時間がない時は、被写体を真ん中にするのがベストでないと分かっている時でも、例えばオートフォーカスのフォーカスエリアが中心に設定してあればそこにメイン被写体がくるような位置でとりあえずシャッターを切る事があります。
こういった時を含めて、フレームが気に入らない時は、トリミングによって再構成します。うまくやるコツは三分割構図など、分かり易い目安を決めてフレームを決める事です。例えば以下の例を見てみましょう⬇
どうでしょうか。トリミング後の下の写真がいかにもフォトグラファーの撮った「構図らしい構図」の写真になりました。
また、背景を切り取る必要がある場合は、出来上がり後を三分割構図などにしてしまうとうまくいきます。⬇
上の例ですと、背景に別のフォトグラファーが入ってしまったので、このままでは使えず、トリミングをする必要があります。別のフォトグラファーのいる左側が使えないので、どのようなフレームにするかは難しいところです。こういうときこそ、「三分割構図」など、目安となる構図ルールが役に立つ所です。上の例では、結果、使えなかったショットを見事救出することができています。
アスペクト比を変える
アスペクト比は色々と現実的な意味で標準が一番ですが、アスペクト比を変えたいこともあります。例えば横長のものを正方形にした方がきれいになる場合、特定のウェブサイトに載せるのに最適化する時などです。
アスペクト比を変える時に気をつけたいのが、その用途です。ウェブの場合は多くの制約はありませんが、プリントの場合注意が必要です。普通の写真プリント屋では標準アスペクト比でないとプリントできないことが多いです。
したがって、通常のトリミングを行う時は、アスペクト比は同じままですることが多いです。